【虎に翼3週目】弱音を吐こう どうすることもできなくても受け止めることは出来るから | [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]

[ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]

小説や漫画のあらすじとネタバレ感想が中心。恋愛(純愛・ラブコメ・学園モノ・セックス)、SF、コメディー、ファンタジー、冒険、裏社会、芸能、政治、スポーツ、料理、ホラー、格闘技、歴史、ファッション・・・名作・傑作・話題作満載!人気ブログを目指します。

朝ドラ『虎に翼』3週目は『女は三界に家なし?』

 

 

「三界」は仏語で、欲界・色界・無色界、すなわち全世界のこと

 

女は

幼少のときは親に、

嫁に行ってからは夫に、

老いては子供に従うもの

 

だから、広い世界のどこにも身を落ち着ける場所がない。

 

 

 

 

法廷劇『毒饅頭事件』はアホ男子学生股間蹴りという結末に。

 

 

負傷したよねを‘カフェー燈台’まで送ると口の軽いマスターによねの過去を聞かされそうになる。

が、固辞。

本人のいないところで勝手に聞くのは……。

 

このメンバー、誰も「えー よねさんの過去気になるぅ〜 聞いちゃお!」って言わない。

 

よねは自分で話す。

貧農の生まれだったこと。花街に売られた姉が騙されてお金を取られたこと。弁護士のおかげでお金は取り戻せたけれど姉は出奔してしまったこと。

 

無知で無防備では搾取され続けてしまうことに絶望し、唯一の希望として法律家の道を目指した。

自称弁護士が登場したときは(コイツ…エロ目的だけ達成したら何もしないか借金でも加算させて逃げるんじゃないの?偽弁護士じゃないの?と思った。そしたら仕事はするし置き屋からぶんどったお金はちょろまかすことなく良心的な取り分だけで済ますし意外にもやる奴だった。魚心あれば水心的なあれでよね的にはクソ野郎ではあっただろうけども。おかげで法科来れたんだよね)

 

 

 

 

毒饅頭事件の改変を知り、徒労だったと帰ろうとするよねにはるが無駄ではなかったと語る……その後ろで涙を流す花江。

優秀な法科の仲間たち、優秀な義母、仲良しの親友だったはずの寅子は「わたしの兄のお嫁さん」…義妹になってしまった。

置いてきぼりにされたみたいな孤独。

お嫁さんとして家事を頑張っても毎回「もう少しお砂糖足してね」……毎回毎回甘味が足りないといわれているということは、花江はわかっているのだと思う。はるは甘めの味付けが好き。猪爪家の味付けは甘めなのだと。気づいているはず。気づいていながら、甘めの味付けを拒否している。甘すぎるんじゃない?って思っているからいつも甘さの足りない味つけで「どうですか?」と味見をお願いしている。わたしはこのくらいの味が好きなんですよとアピールしている。だけど「もう少し砂糖を足してね」はるは花江の味付けを受け入れない。

 

こんなことで、ってことに見えると思う。

 

そんなことにまで寄り添わなきゃいけないのかって。

好きで結婚して好きでお嫁さんやってるんだろって。

 

けど、それを言うならここにいる人たちも好きで法科に通って好きで法律勉強してるんだよね。

 

つらさの種類は違うけど、みんなつらい。

つらくない人なんていない。

 

 

 

 

怒ってばかりで自分勝手にみえたよねが、学友それぞれの事情に理解があってしっかり認めていることに感動した。

 

 

家事や育児をしながら学んでいる。大庭梅子(おおば うめこ:平岩紙)

国を離れて言葉の壁があるのにやっている。崔香淑(さい こうしゅく:ハ・ヨンス)

見張られて自由もなく縛られながらやっている。桜川涼子(さくらがわ りょうこ:桜井ユキ)

誰よりも熱心に授業を受けているのに月のものが重くて休まざるをえないし、なんでも押し付けられている。猪爪寅子(いのつめ ともこ:伊藤沙莉)

 

 

 

自分(山田よね(やまだ よね:土井志央梨)に比べたらどいつもこいつも恵まれてて生ぬるい…とは思いながらも、ちゃんと学友たちの努力に敬意を抱いていた。

 

言わなかっただけで心の中では学友たちに寄り添っていた……!

 

 

 

 

弱音をはかず毅然としていくという姿勢はかっこいいけれども、かたくこわばった木はぽっきり折れてしまうもの。

 

我慢は美徳かもしれないけれども、無理はしんどい。

 

 

弱音をはいてもいいじゃないの。

何もできないかもしれないけど、どうにもならないかもしれないけど、聞くことはできる。

 

言わなきゃわからないこともある。

 

花江の弱音…本心を聞いて、直道(寅子の兄)は別居を決断する。

 

花江が1番大事だと断言する直道。

「大好きな息子をとられて」ナチュラルに言っちゃう。「違うでしょ」とツッコむ妹寅子の妹目線が面白い。妹にとっては‘あんな兄’だもんね。しかし夫としても息子としても筋が通っていて気持ちのいい男であります。

 

はるとしてもいい姑であろうと気遣って優しくしているつもりで、息子夫婦の幸せをのぞんでいて、それでも軋轢がうまれてしまうのは、距離が近いからなんだよね。

 

実の親子であってもギスギスしてしまうこともあるのだから、離れるのはいい選択かもしれない。

 

 

法廷劇をしたら兄夫婦が別居することになった、という。

 

 

 

思っていても言葉にしないと伝わらないこともある、という流れでお付きのたまに感謝を伝える涼子さまが素敵でしたね。

こういうところをないがしろにしないから『虎に翼』は素晴らしい。

 

 

 

 

 

いきなりツボ押しをするよね。

不器用で実用的な優しさにグッときました。


男装の麗人が跪いて足を揉むって絵面にもグッときました…!

たぶん、この後も怒りっぽくてつっけんどんで‘イヤなかんじ’のままでやっていたんだと思う。

急なキャラ変なんてできないもんね。

女であることを捨てた覚悟は生半可じゃない。

女のままで‘スンッ’をやめるのは難しい。だから男装という鎧でよねはこの時代の荒波に立ち向かう。そういう選択をした。

 

 

 

そして来週からは男女共学の法学部へ。

 

 

本格的な地獄が待っている…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








 


人気ブログランキング    










にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村      







こんな本を読んだ - にほんブログ村